Base Ball Bear 6th Full Album「C2」ドラムレコーディング全曲解説対談
Base Ball Bear 堀之内大介 × Drum Tech 今村公治
2016年にメジャーデビュー10周年を迎えるBase Ball Bearのドラマー堀之内大介氏と、堀之内氏が18歳の頃から氏のドラムトレーナー&レコーディング におけるドラムテックを担当してきた今村公治が、約 12 年の付き合いの中では初めての対談形式で 2015 年11月11日リリースの6枚目のフルアルバム「C2」 のドラムレコーディング全曲分について詳細に解説!
今) アルバム『C2』リリース記念 Base Ball Bearのドラマー堀之内大介さんとの対談。 ドラムレコーディング全曲解説やりたいと思いますが…。 とりあえず、オープニングです!よろしくお願いします! 堀) はい!よろしくおねがいします!! 今) では、何故この対談をやろうと思った理由なんですが…。 これはですね、私、今村公治がエンドースしているカノウプス(CANOPUS)と言うドラムメーカーのHP内エンドーサーニュースに僕の活動を掲載して頂いているページがあるんですけど、そこにBase Ball Bearの今回のアルバム『C2』に繋がるエクストリームシングル「それって、for 誰?」part.1から掲載して頂きまして。 そこで、どういう楽器を使ったかという話を少しさせてもらったんです。 それで、エクストリームシングルは『「それって、for 誰?」part.1』「文化祭の夜」「不思議な夜」の3枚を毎月連続でバンバン出して行く中で、各曲で使った楽器の事を書いていったら、なんだか勢いがついちゃって(笑)! 堀) 回を重ねる毎にどんどん内容が伸びてましたよね(笑)! 今) そう、エスカレートしちゃって(笑)! それで、アーティストがレコーディングで「どういう楽器を使った」とかって、各楽器専門誌なんかに掲載される機会はあるけれど、細かく全曲解説している事なんて無かったなって思って。 堀) なかなか無いです。 今) 「これは面白いから、堀君やらない??」って相談をしたら、堀君も「面白い!」って言ってくれて!それがきっかけだね。 堀) そうですね!今回のアルバム『C2』は生音に相当こだわって作っていて…。 今村さんは僕のドラムの師匠でもありますし、ドラムテックとして10年間ついてくれて一緒に音を作ってくれてるのでよくわかると思いますが、僕らもちょっと歳を重ねてきまして育ててきたことが沢山ある中で、「生音に対するこだわり」とか「自分達のルーツをどう表現していくか?」っていうことに対しての欲が、今回はこれまで以上に出ている作品だと思うので、今村さんから今回の対談のお話を貰った時に、一番良いタイミングだなと思いましたし、自分の中でもドラムについてしっかり話したい事があったので「大・大・大・大・大賛成!」で即返事をしたと思います(笑)! 今) そうなんだよね。 よく考えたら堀君との出会いは10年以上前で堀之内大介君が18歳の時にさかのぼり…(笑)! Base Ball Bear がまだメジャーデビュー前で、当時、東芝EMIっていうレコード会社があってそこのグレートハンティングという新人開発チームのリーダーの加茂啓太郎プロデューサーに、「Base Ball Bearというバンドを育てて行くのでドラムの先生をしてくれないか?」と話を頂いたんだよね。 僕はBase Ball Bearと出会う前から加茂さんが手掛けたアーティストのドラムの先生とかレコーディングでのドラムテックを沢山やらせてもらっていたので「いいですよ!!」ってところが始まりで、もう10年間以上お付き合いだね。 堀) そうですね。 今村さんの中で“10年以上弟子としてもテックとして付いている”っていう方はいますか? 今) 連続してはいないね。 最初は堀君が18歳で某大学の1年生の時(笑)! 堀) ははは(笑)!これは、もう辞めちゃったからなかなか書けない話ですけど(笑)。 今) 某大学の入学オリエンテーションの日の夜に初レッスンをやり(笑)! 堀) そのオリエンテーションのガイドブックみたいな冊子の裏に譜面を書こうとして・…(笑)! 今) 「五線紙ぐらい買ってこい!」って怒られたんだよね(笑)! 堀) 「初っ端から怒られる!」で始まりましたね。 今) そこからだから、よく考えたら12年でしょ?? 堀) そうですね。まるっと干支一周しました! 今) うわー、すげー! …っていう付き合いの長さで、Base Ball Bearのほとんどのレコーディングにドラムテックとして参加させて貰ってまいりました! 堀) おかげさまで、ありがとうございます! 今) 「ドラムテックって何だ?」ってところでは、楽曲に合わせてドラムの音を作る(チューニングする)人です。 堀) 僕らドラマーが、一番心地よく叩ける理想の環境を現実にしてくれる人ですね。 レコーディングブースとミキシングルームは別れているので、自分の音を一回一回、聴くのって凄く大変なんですよ。イメージする音をリクエストして、それを再現してもらったりとか、自分の変わりに叩いてもらって音を確認したり出来るので、ドラマーにとっては一番近い所にいるサポーターです。 今) そうだね。プロデューサーの方とかエンジニアさんとか、色んな人のイメージやリクエストを全部まとめて「どんな音を作るか?」っていうのを考えて音作りをするんだけど、それをドラマー1人でやるとレコーディング本番で叩く前に疲れちゃうんだよね…。 堀) そうなんですよ…。 今) そう言う時にドラムテクニシャンが居ると楽だよね。 あ、ドラムテックっていうのはドラムテクニシャンが正式名称です。 よく考えてみると、僕たちは長いお付き合いのなかで、今まで対談ってしたこと無かったよね。 堀) 改めて考えると無いですね。いつもは、ご飯食べながら世間話しつつくらいなんで。 でも、レコーディング現場では真面目な話も沢山するので、それをお見せするって形ですね! 今) アーティストのレコーディングの細かい部分って余り公開しない部分なんだけどね。 「企業秘密!!」みたいなね(笑)! でも、今回はあえて全公開していこうっていう。 Base Ball Bearのファンの皆さんに、ドラマー堀君のドラムに対するこだわりであるとか、実は曲によってドラムキットも沢山変えていたりするんだってことも分かってもらえると思いますし、音楽の聴き方を一回「ドラム目線」に変えて聴いてもらっても楽しんでもらえるんじゃないかなー…と! 堀) 今回ちょうど、エクストリームエディションの方には全曲のインストも入っていますので、この対談を見てもらって、歌有りのバージョンと演奏のみのバージョンを聴いて比較してもらうことで、より鮮明にドラムの立ち位置が分かってもらえるんじゃないかなと思います。あと「歌ありきのドラム」っていうのも分かると思います。 今) 明日のブロドラマー、メジャーデビューを目指すバンドの皆さんでBase Ball Bearが好きな人も多いかと思うんだけど、「Base Ball Bearの楽曲を聴いてこんな音を作りたいと思ったんだけど楽器は何を使ってんだろう?」「どうチューニングしてんだろう?」...っていうのも参考になるかも知れないし。 ちょっと生意気言うと「少しでも役に立ちたい」って僕らは思っていて、この対談を見たドラマーが「このヘッド試してみたんですよ!」ってなったらいいなーと思っています。