Base Ball Bear 6th Full Album「C2」ドラムレコーディング全曲解説対談
BaseBall Bear 堀之内大介 × Drum Tech 今村公治

 

Artist

Base Ball Bear

date

2015年5月12日

Song name

「こぼさないでShadow」

Studio

HEATBEAT Studio A

Sound Producer

Base Ball Bear

engineer

Mr.Kawazura

Drum Tach

Koji Imamura

m2_1 m2_2
m2_3 m2_2

 

Kit

Snare

Kick

Tom

Tom

Floor Tom

CANOPUS RFM 今村Special Kit

TAMA BELLBRASS 6.5

22×18

10×7

12×8.5

16×17

アンバサダーX

Powerstroke3 Clear

Clear E

Clear E

Clear E

withリングミュート4cm

SONOR フェルトビーター

HiHats

Ride

Crash

Carash

China

Sprash

New beat blliant(T&B)14"

M Crash 18"

Crash 19

China Boy Hi 20"

6" Sprash

ZHT 10”

A Zildjian

A Zildjian

A Zildjian

A Zildjian

A Zildjian

ZHT Zildjian

 





今)
では、2曲目!

堀)
「こぼさないでShadow」

今)
これはですね、曲がなかなか大人っぽくて今までのBase Ball Bearにはなかったなぁって。

堀)
このテンポでエイト(8ビート)感っていうのはあんまりないですね。

今)
そうだよね。で、今も「大人っぽく」と言ったようにボズ・スキャッグスがヒントだったわけだよね。

堀)
ボズ・スキャッグスの「ミドルマン」ってアルバムで、僕が一番好きなアルバムなんですけど。

今)
超有名だね。

堀)
あのアルバムの空気感とか。サウンド感とかが凄く好きなんですけど。
こういう少し大人びた感じの、AOR。

今)
「アダルトオリエンテッドロック」ね。

堀)
ドラムに関しては、そのAOR感を出したくて。

今)
なるほど。

堀)
事前の打ち合わせでは、スネアは「ダシッ系」もしくは「ドライ系」って書いてあるんですけど、なんだかんだで、結果「ダシッ系」に落ち着きましたね、これも。

今)
ドライ系って何かと言うと、「ダシッ」とか「カンッ」とか擬音で例えるなら「タッ」とかそういうやつだよね。

堀)
そうです、そうです。「タッ」も余韻無いんですけど「ダシッ」よりちょっと薄いんですよね。

今)
うん。薄いイメージだね。

堀)
「タッ」って感じなんですよね、ドライ系は。
この曲は、薄いと軽くなりすぎるみたいな事が若干あって…。

今)
色々試したんだよね。

堀)
で、結局「ダシッ系」に落ち着いた理由としても、この曲に関してはやっぱりさっき言ったAOR感というか「ちょっとドラマーは落ち着いて行こうよ」ってのがあったと思うんですよね。

今)
楽曲はある程度BPM(テンポ)もあるんだけど、バラードとかスローの扱いだったねドラマー的には。
デッドサウンドでパンチがある。で、ドラムの音はクリアーに聴きたいってことがあったので、1曲目と同じカノウプスのRFM特注キットを使いバスドラとかも結構近い感覚でありつつの、スネアを変えることで聴こえ方を変えようってなったんだよね。

堀)
で、ビーターですよ!ビーターが違うんですよ!

今)
dw5000フェルトビーターって堀君のだよね?

堀)
そうです。これで少し軽く聴こえるんですよ。
そうだ!実は、言っておかなきゃいけないことがあって、もともとシングル3枚出す予定はなかったですよ。

今)
これも、また面白いね。それは話して大丈夫なの?
  
堀)
大丈夫です。
当初、シングル出す予定じゃなくて、アルバム作るっていう方が先行で始まっていたので、この1曲目と2曲目は決まっていて。

今)
ほうほう。

堀)
デモを録った段階から『「それって、for 誰?」part.1』の次は「こぼさないでShadow」みたいな感じはあったんですよ。イメージとして僕も、ドラムサウンド的にも余りかけ離れない方がいいかなって思っていたので、キット自体は1曲目と同じものでいけたのは良かったんですが、やっぱり曲が派手目ではないじゃないですか…。資料にも書いてありますけど、艶っぽいイメージっていうのが一番良い表現の仕方だと思うんですよ。なので、大人な雰囲気のサウンドでプレイしたいと思ったので、キットは同じですけど、フェルトビーターに変えることによって物としての大きさも音としての大きさもちょっと小さめになりますし。

今)
アタック感が変わるよね。太さもね。

堀)
で、スネアがまたこれ深いやつなんですよね。

今)
TAMA ベルブラス6.5インチね。
さっきの、「それって、for 誰?」part.1のdw ソリッドブロンズの7インチよりも0.5インチ薄くてメーカーも違うけど、やっぱりこれも僕が持っているスネアの中ではパワーある系のスネアでよいダシも取れて(笑)、音色がdwよりちょっとだけ明るいんです。

堀)
メーカーさんごとの素材の配合で、ちょっと明るくなったり…っていうのが、なかなか面白いんですよ。
で、ベルブラズの6.5インチで、且つ(dwと)同じ削り出しの3mm厚のシェルなんですけど。
これ面白いですね、リングミュートが今度は4cmになっていて、ちょっとミュート感が少なくなってるわけですよ。

今)
「それって、for 誰?」part.1よりオープン気味な明るい「ダシッ」。

堀)
そうですね。
だから面白いんですよ、スネアが0,5インチ違う、そして素材が違う、そしてリングミュートが2.5cm薄い…と。
凄い細かいこだわりですけど、これでこれだけサウンドが違うんだよっていうのを明確に感じて頂けるんじゃないかと思います。キット自体は一緒ですからね。

今)
スネアを変えて、ヘッドも「それって、for 誰?」part.1と同じアンバサダーXと。だから、材質とミュートの差で聴こえ方が違うってことだよね。

堀)
シンバルは少し落ち着きめの、音が鳴り過ぎず鳴らな過ぎず、一番「ザ・スタンダード」なシリーズですね。

今)
ニュービート(ハイハット)だもんね。

堀)
初めてドラムシンバル買いに行こうと思っている人は、このセッティングでいいんじゃないかって思うぐらい。

今)
確かにオススメだね。

堀)
オススメです!

今)
ハイハットはAジルジャンのニュービートハイハット(ブリリアント)14" で、ライドはロックライド21“です。

堀)
これカッコイイのは、ミディアムクラッシュ18"とロッククラッシュ18”っていうのが俺のオススメなんですよ!

今)
あっ、そうそう!僕と堀君の共通点としては、シンバルメーカージルジャン(Zildjian)のエンドーサーとして契約させて頂いているんで、僕たちはジルジャンファミリーで御座います!

堀)
ファミリーだから敢えて言いますけど、ジルジャンが一番良いです!!

今&)
(爆笑)!

堀)
スプラッシュとかもね、エフェクティブなシンバルが欲しいって人たちはZHTのシリーズのスプラッシュは凄くコスパが良いですし、チャイナもこのチャイナボーイってホント“元祖”って感じのチャイナなんで、良いと思います。

今)
そう、だからジルジャンシンバル、かなり使いまくっているよね。

堀)
1曲目の「それって、for 誰?」part.1は割とシンバル的には鳴るんですよ。

今)
はい!

堀)
キットが鳴っている分、シンバルもそれに合わせて負けないような感じの仕様になってるんです。

今)
ホントだAカスだ。

堀)
そうです。Aカスタムで音が明るい感じです。
なので、この曲はちょっと明るさ的には減ってると思うんですけど、より落ち着いた感じになってます。

今)
そうだよね。曲調に寄せていったって事だよね。

堀)
不思議なもので、1曲目との違いはシンバルとビーターとスネアだけで、こんだけ違ってますよと。

今)
なるほど。それで、落ち着いて聴こえますよと。

堀)10タムとかは、少しミュート感をいじってますよね。

今)
ヘッドは一緒だけどミュートを変えてるんだよね。

堀)
タムもガムテープミュートをしているんですけど、ガムテープのミュート感も若干違いますし。もちろんピッチを変えてると思うんで、曲によって。

今)
音程ね。

堀)
音程ですね、それが変わっているっていうのがあると思うんです、同じセットでもチューニングによって。

今)
その通りだね。

堀)
ホントに想像通りの僕が思うAOR感っていうか、Base Ball Bearに自分のルーツの部分を持ってこれているなっていうのはありますね。
好きな曲、好きなサウンド、でも「自分が叩くとこうなるよ」「自分が思い描くサウンドだとこうなるよ」っていう。

今)
僕のボズ・スキャッグスね(笑)!

堀)
そうです。(笑)
僕の「ミドルマン」ですね。

今)
僕の「ミドルマン」(笑)!
いいっすねー。
でも「ミドルマン」は名盤だよね。

堀)
ジャケットもエロイ感じで。

今)
女の人のセクシーな写真で!

堀)
そうです。エロティシズムが凄い。
これ、他のメンバーがどう思ってるかはわからないんですけど、ドラム的にはボズ・スキャッグスの曲を聴いているときと同じようにウイスキー片手に聴いてくれたらいいなと思います(笑)。

今)
なるほどー渋いっすねー。大人っすねー。

堀)
曲的には、化粧品のCM目指してるような曲(笑)!

今)
ははは。あっ、だからShadow(笑)?!

堀)
ははははははは!


 		
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